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映画 ワンダー 君は太陽(2017年)

「やさしさの半分は勇気でできている。」(公式キャッチコピー)

2017年のアメリカ映画「ワンダー 君は太陽」は偏見や思い込みによって誤解をしてしまう人間の本質部分を描き、内面を見つめ理解する大切さを教えてくれている。鑑賞後は心から活力が湧いてくる爽やかな作品だ。

遺伝子の疾患によって人とは異なる顔で生まれてきた男の子。10歳の少年オギー・プルマンは27回もの外科手術を受けているが、痕跡は残っており外見に対するコンプレックスを払拭できずにいる。普段の生活では宇宙飛行士のヘルメットを被り、学校へは通わずに自宅で学習を続ける日々を過ごす。

しかし母親のイザベルからの強い要望を受け、新学年が始まる夏休み明けから学校に通う決意をするオギー。夏休みの間に校長先生、同級生のクラスメイト3人との面談を済まして、学校へ通う準備に入る。クラスメイトの3人に学校を案内してもらうのだが、早くも外見をからかわれてオギーは傷ついてしまう…。

ここから未知なる世界での闘いが始まる。宇宙飛行士に憧れているオギーにとっては、まるで宇宙に行くような感覚で学校生活に飛び込んで行く。幼少期に辛い経験をした人は理解できると思うけれど、時には空想をして現実から逃避する。その辺りの映像的演出はコミカルで楽しいんだね。

800万部のベストセラーとなった原作「ワンダー」は、ふたりの息子の母親でもあるR・J・パラシオさんが実体験から得た伝えるのが難しい教訓を子どもたちにも理解しやすいように小説(フィクション)にしている。その逸話は作品中にもアイスクリーム屋で出会う少年という形で紹介している。

第1章.オギー、第2章.ヴィア、第3章.ジャック・ウィル、第4章.ミランダと4つのパートに分かれ、それぞれの心情を描く構成となっている。視点を変えることで理解を深める役割を果たしているだけでなく、全てのエピソードが素晴らしいので描かれるやさしさの多様さに感動が深くなるんだね。

オギーの将来を憂い、困難が待ち受けているのを理解しながらも送り出す家族。励ます立場として奮起しなければならないが、自分たちも心に余裕がある訳ではないので、時には心が折れてしまう。誰もが他人には言えない悩みを抱え葛藤する描かれ方が秀逸だ。

それでも経験から学んで成長する姿を明るく描いているのが好き。みんなひとりぼっちは辛いから、いつでも誰かの助けを必要としている。しかし他人を励ましているつもりが、実は自分が励まされていたり、勇気をもらっているのは自分の方かもと気付く。思いやりからはきっとそんな効果が生まれると信じている。ムサネットくんの世界観を創造している考え方であり、絵本のテーマにもしているんだ。

悲観的で同情を誘う作風ではないけれど、多くの人が作品を鑑賞して直ぐに涙腺が崩壊し始めると思う。登場人物のやさしさに触れて、心が温かくなるのを感じてしまうからだ。やっぱり人の心を救えるのは人のやさしさなのだと実感してしまう。

そのためにも大切になるのは「観察」であることも教えてくれる。認識していなければ、やさしさも親切さも与えられない。また表面上の理解では誤解してしまうかもしれないから、丁寧な観察によって深い理解を得る努力が必要になってくる。

様々なメッセージを投げかけてくる作品だけれど、あなたはどのメッセージが心に残るかな? 必ずあなたにも共感する素敵なキャラクターが登場するので、自分と置き換えて鑑賞すると感慨深い経験が得られるはずだよ。

公式サイトの予告動画もリンクを貼っておくので、是非とも世界観を感じてみてね。

WONDER(2017年)

邦題:ワンダー 君は太陽(日本公開 2018年) 上映時間:113分 監督:スティーブン・チョボスキー 制作国:アメリカ 原作者:R・J・パラシオ 原作著書:ワンダー(ほるぷ出版) 出演:ジェイコブ・トレンブレイ、ジュリア・ロバーツ、オーウェン・ウィルソン

ワンダー 君は太陽(公式サイト YouTube)

ワンダー 君は太陽 特別映像(YouTube 映画ナタリー)

『映画 ワンダー 君は太陽(2017年) 』2018.11.25

 

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