日本人にとって1981年以来、死因のトップであり続けるがん(悪性新生物)への関心度は、かなり高いという印象がある。露出の多いがん保険CMの影響も多分にあるとは思うけれど、がん保険の見直し、比較検討の相談を受ける機会は多い。保険ショップにおいては、お客さまの生死に関わる重要な相談ごとになるので、改めてがんについて様々な角度から考えてみたいと思っています(※1 厚生労働省データ参照)
がんが日本人の死にどの程度関わっているのかを理解する前に、日本の人口問題についてもちょっとだけ確認してみよう。日本の人口が確実に減っている。それもかなり危険な領域で。2010年の1億2806万人をピークに減少傾向をたどっているが、改善している様子は見られない。
生まれてくる子供よりも亡くなる人の方が多いからだ。このままの状況が続くと2060年(42年後)には8674万人にまで減ってしまうと予想されているんだよ(※2 内閣府ホームページを参照)
ちなみに2018年1月1日時点で日本の人口は1億2659万人。そして2017年の1年間で出生は94.6万人、死亡が134.0万人と、亡くなった人の数が40.3万人も上回っている計算となる。平均寿命(2017年 男性81.09歳、女性87.26歳)も延びて、少子高齢化は更に深刻な問題になってしまうのかな。
政府も人生100年時代構想を見据えて、社会保障の困難な財政状況にある日本の在り方を検討している。私たちも100歳という超長寿社会に生きるリスク(生きるにはお金が必要になる)を真剣に考えなければいけなくなるはずだ(※3 厚生労働省データ参照)
このようなデータはがん保険を検討するのに何か関係あるの?と疑問に感じるかもしれません。保険に加入するためには保険の内容を理解するだけでなく、私たちが置かれている現在の環境や社会保障なども含めて考える必要があります。
例えば洋服を購入する場合は、その衣服を着用する状況(環境)を考慮して選択するのと同様に、がん保険に加入する場合も治療を受ける際に受けられる社会保障、がんの罹患率、平均寿命などのデータも考慮して、保険を利用する状況(環境)を少しでも理解しておくのが良いと思います。
2018年現在も日本人の死因トップはがんである事実、日本の人口が減り続けているために今後も現在の社会保障を維持するのは難しくなるだけでなく、平均寿命が延びていることで高齢者として医療に依存する期間が長くなるとの想定も必要かもしれない。そのような観点からがん保険を検討するベースとなる考え方を紹介して今回はお終いです。
次回はがんについて、もう少し確認してみるよ。がん保険を考えよう その2につづく→こちら
※1 2017年人口動態総覧 性別にみた死因順位 厚生労働省
※2 日本の人口は減ってきている 少子化対策キッズページ(内閣府)
※3 2017年人口動態総覧 政府統計・厚生労働省
※3 人生100年時代に向けて 厚生労働省
『人生100歳時代がもうそこまで!? 』2018.11.06