ワクワクしながら待ち望んでいたM.ナイト・シャマラン監督の「ミスター・ガラス」を観賞して感無量の思いだ。
何と言っても本作は「アンブレイカブル(Unbreakable) 2000年」「スプリット(Split) 2016年」という独立した2作品の続編であり、19年の時を経て完結する物語として、世界中の映画ファンから注目されていたんだね。
2作品が交差する展開の面白さと個性豊かなキャラクターを描くには129分でも短いと感じてしまう。編集前の210分から大幅にカットしたためか、駆け足で話が進む印象を受けてしまう程に内容が濃い。
シャマラン監督はBlu-ray発売時には削除したシーンをたくさん入れると宣言しているので完全版が解禁されるのを楽しみに待ちたい。
本作を存分に楽しむためには、前日譚となっている両作品を事前に鑑賞しておいた方が良いね。鑑賞はアンブレイカブル→スプリットの順がおすすめ。ネタバレしない範囲で内容をちょっと紹介。
「アンブレイカブル」
イライジャ・プライス(サミュエル・L・ジャクソン)は超人的な頭脳の持ち主だが、骨形成不全症の壊れやすい肉体が故にミスター・ガラスと呼ばれている。自分のように壊れやすい最弱の肉体が存在するならば、対照的に強靭で不死身な肉体も存在している筈と考えている。
そんなある日、131人もの死者を出した列車事故から、かすり傷ひとつ負わず生還したデヴィッド・ダン(ブルース・ウィリス)の存在が明らかになる…。
「スプリット」
女子高生3人が潔癖症の男(ジェームズ・マカヴォイ)に誘拐され監禁される。この男から凶悪な印象は受けないけれど、何だか様子がおかしい。次第に明らかとなるのは23人の人格を有する多重人格者の正体と24人目の影。危機的状況から逃れるためには、多重人格者の弱点を見つけなくてはいけないのだが…。
果たして彼女らが誘拐された目的は? 多重人格者が抱える秘密とは? ラストに明かされる衝撃の事実とは?
アンブレイカブルとスプリットに登場する3人は常人を超越した特殊な能力の持ち主。本当に彼らはアメリカンコミックスに登場するようなスーパーヒーローなのか?現実の世界に存在するとしたらどうなるの?
本作でその核心に迫ることになるのだが、シャマラン監督は予想外の発想力でスーパーヒーローの物語を描いていた。作品のテーマを全ての人が共感できるものとして。
善も悪も、超人も凡人も超越した普遍的なテーマとしているところも興味深い。ヒーローものやサスペンスが苦手な人でもきっと胸が熱くなり勇気が湧いてくるんじゃないのかな。
やはりM.ナイト・シャマランは映画作家だったね。この3部作は今後シャマラン監督の代表作として語られると確信している。それ程に面白い(ちょっと怖いのは我慢してね)
『ミスター・ガラス(GLASS)2018』2019.02.13
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