以前に紹介したがん保険を考えよう その1(2018/11/06)からのつづき(未読の人は→こちらから)です。保険を考えるよりも、まずは日本人が真剣に考えなければいけない状況を考えてみたんだよね。概要は以下の通り。
・日本人の死因トップはがんである
・日本の人口が減り続けている
・日本人の平均寿命が延びている
このような状況を踏まえてがん保険の加入について考えたいと思いますが、厚生労働省のデータ※1によると2017年(平成29年)死因トップ3の1位は悪性新生物(37万3178人)、2位は心疾患(高血圧を除く)(20万4203人)、3位は脳血管疾患(10万9884人)となっています。
更に部位別にみた悪性新生物(腫瘍)の死亡者数を男女別に確認すると以下のような結果になっている。比較すると明確ですが、男女によってもがんの発生部位が異なることが分かります。年々男女ともに肺と大腸によるがん死亡率が高くなっているらしい。
・悪性新生物の部位別死亡者数(男性)
1位:肺 52,985人
2位:胃 29,737人
3位:大腸 27,309人
4位:肝臓 17,810人
5位:膵臓 17,387人
・悪性新生物の部位別死亡者数(女性)
1位:大腸 23,337人
2位:肺 21,110人
3位:膵臓 16,809人
4位:胃 15,473人
5位:乳房 14,285人
6位:肝臓 9,293人
7位:子宮 6,605人
それではがんで死亡する確率はどの程度なのでしょうか? 2016年(平成28年)国立がん研究センターのデータ※2で確認してみると
がんで死亡する確率(生涯)は
男性:25%(4人に1人)
女性:16%(6人に1人)
となっており、
がんに罹患(診断される)する確率は
男性:62%(2人に1人)
女性:47%(2人に1人)
となっている。このデータがいわゆる日本人の2人に1人はがんになるの根拠となっている数字なんだね。がんの死亡率は男女ともに60歳代から増加することが確認されており、年齢が高齢化するほどに増加傾向が顕著に現れる。がんの罹患(診断される)率は30代から40代にかけては、女性が男性を上回っているが、60歳前後から男女逆転する。男女ともに増加傾向を示すのは50歳代からとなる。
これまではがん死亡とがんと診断される人のデータを確認してきたが、ではがんと診断されてから5年後に生存している人の割合はどの程度なのか?を確認してみたい。データには生存率と相対生存率のがあり、その解釈が誤解されていることも多い。ちょっと複雑なので、次回に詳しく確認してみよう。
次回はがんのデータについて更に異なる視点で確認してみるよ。がん保険を考えよう その3につづく→2018/12/4予定
※1 平成29年(2017)人口動態統計月報年計(概数)の状況(厚生労働省)
※2 最新がん統計(国立がん研究センター がん情報サービス)
※3 累積死亡リスク:ある年齢までにある病気で死亡する確率
『がん保険を考えよう その2 』2018.11.27